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ハイルブロンの怪人

Heilbronner Phantom
Phantom of Heilbronn

1993年から2008年にかけてドイツ、オーストリア、フランスの犯罪現場で検出された同一のDNAの持ち主。
殺人現場や麻薬取引の現場など少なくとも40件の事件の現場から相次いで同一のDNAが検出されたため、国際的な連続重大事件の犯人として現地警察が捜査していた。
しかし、2009年になってDNA検査に使用している綿棒に混入していた従業員のDNAであったことが判明した。

<概要>
2007年5月25日、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州ハイルブロン市で22歳の女性警官が死亡、24歳の男性警官が重傷を負う事件が発生した。
この現場で採取されたDNAがドイツ各地の殺人事件や強盗事件の現場やフランスやオーストリアでも同一のDNAが発見された。
このことから警察は国際的な連続殺人として捜査を開始した。

最も古い事件は1993年にドイツで起きた殺人事件(DNA解析は2001年)で、以後2009年3月までに少なくとも40件の事件現場からこのDNAが発見されている。
DNA解析によると犯人は女性で、東欧やロシア出身者の可能性が高いとされた。
東欧の犯罪組織との関連や麻薬取引にも関わっているとされた。
2009年1月、ドイツ警察はこの『怪人』に30万ユーロの懸賞金をかけた。

しかし、2009年3月、フランスで難民男性の焼死体からも同じDNAが検出されるなど、おかしな事例が続出した。
調査すると、DNA採取に使用されていた綿棒に人間のDNAが混入していたことが発覚した。
続く調査で、問題のDNAは綿棒を納入していた業者(ドイツ語のwikiによればグライナーバイオワンらしい。ヨーロッパの世界的試薬メーカーである)の工場従業員のものだと分かった。
無論、彼女は事件とは無関係だった。
この綿棒は滅菌されていたが、人間のDNA検査に使用すべきものではなかったのだ。

ドイツの大衆紙はこの事件を「戦後のドイツ警察の歴史で最もお粗末」と批判したそうだ。

<リンク>
ハイルブロンの怪人(wikipedia)

ウエストメンフィス3

West Memphis Three
1993年5月、米国アーカンソー州ウエストメンフィスで8歳の少年三人が殺害された事件で、犯人として逮捕された十代の少年三人を指す。
彼らは無実を訴えるも有罪判決を受け、死刑や終身刑といった重刑が科された。
しかし、ずさんな捜査と証拠不十分が明らかになったことや釈放を求める支援の甲斐もあり、三人は2011年に司法取引により釈放された。

<概要>
1993年5月5日、アーカンソー州ウエストメンフィスで8歳の少年三人が行方不明となった。
翌日、近くにある小川で三人の無残な遺体が発見された。
三人とも着衣は身につけておらず、手足は紐で拘束されていた。
体にはかなり手酷い暴行を受けた形跡があった。少年の一人は特に酷い暴行を受けたようで、体中に無数の刺し傷が残り、局部も損傷していた。
検視によれば、この少年だけは失血死、残る二人は溺死だった。
遺体発見時の異様な状況から、この事件は悪魔崇拝儀式によるものではないかと考えられた。

数日後、ダミアン・エコールズ(Damien Echols)、ジェイソン・ボールドウィン(Jason Baldwin)、ジェシー・ミスケリーJr.(Jessie Misskelley, Jr.)という16〜18歳の少年三人が犯人として逮捕された。
三人は万引きや暴力行為により逮捕された前歴があり、町では問題児扱いされて浮いた存在だったという。
特にエコールズは学校にもほとんど行かず、普段から黒いトレンチコートを着てヘビィメタルを好むなど風変わりだった上、オカルトにも傾倒していた。
逮捕前の取り調べに対し、三人は無罪を主張していた。また、彼らが犯人であるという確たる証拠もなかった。
しかし、厳しい尋問に耐えかねたジェシーが自白をし、残る二人も逮捕されることとなった。
警察はエコールズが主犯で、三人は悪魔崇拝儀式の生け贄として少年達を殺したものだとした。

1994年、裁判が始まり、三人は揃って無罪を主張した。
裁判の中で、ジェシーの自白は様々な矛盾を含んでいることや、遺体や現場から見つかった証拠とも矛盾していることが示された。
しかし判決は有罪となり、エコールズは死刑、ボールドウィンは終身刑、ジェシーは無期懲役にプラス40年がそれぞれに科された。

この事件は全米で注目を浴び、三人は「ウエストメンフィス3」と呼ばれ、多くの支援者を集めることとなった。
支援者の中にはジョニー・デップやメタリカなど著名人も多く含まれている。
支援者らによる検証の結果、警察の捜査がずさんで証拠を紛失していることや目撃証言に信頼性がないことなどが明らかになり、別に犯人が存在するという新たな証拠も得られた。
2011年、三人は有罪であることを認める司法取引により釈放された。
三人が無罪であると主張し、なおかつ新たな証拠もあるのにこの司法取引に応じた理由は、エコールズの死刑執行が迫っていたという事情があった。
なお、司法取引の内容には州当局を訴えないという条項があったともいわれる。

<映画>

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この事件を追ったドキュメンタリー映画『パラダイス・ロスト』シリーズがパート3まで製作されている。
アメリカではこの事件への関心は未だに高く、2012年には『West of Memphis』というドキュメンタリー映画も公開されている。

ウエスト・オブ・メンフィス 自由への闘い (字幕版)


また同名のノンフィクションを原作とした映画『Devil's Knot(デビルズノット)』がアメリカで2014年公開(日本でも2014年11月に公開)。
主演はリース・ウィザースプーン(被害者の一人の母親役らしい)。
日本語公式サイトはこちら

<リンク>
ウエスト・メンフィス3事件(wikipedia)
かなり詳しい。英語版に掲載されている内容はほぼ網羅している。
しかし、英語版との編集方針の違いにより、ちょっと残念なことになっている。

狭山事件

1963年5月1日に埼玉県狭山市で発生した強姦殺人事件。
被害者は当時16歳の少女。
犯人として石川一雄が逮捕され、無期懲役の判決が下っているが、1994年に保釈されている。
逮捕当時から冤罪の可能性が指摘されており、現在でも再審請求が続けられている。

<概要>
1963年5月1日、被害者は下校途中に行方不明となる。その後、被害者宅に脅迫状が届く。
家族は警察に届けるが、翌日の身代金受け渡し時、警察は犯人を取り逃がすという大失態を犯す。
5月4日、被害者の遺体が発見される。
5月23日、石川が別件にて逮捕される。その後、厳しい取り調べにより石川は犯行を自供する。
しかし、自白以外の物証に乏しい上、石川は裁判で自白は強要によるものとして無罪を主張。
逮捕されたのは石川の出自(被差別部落出身だった)による差別であるとの見方も重なり、狭山事件は社会問題へと変化していった。

多くの作家やジャーナリストが本事件を追っているが、真犯人が誰かは諸説あるも不明。
事件後、被害者の兄や姉、目撃者などが数人自殺・不審死しているなど、謎の多い事件でもある。

<リンク>
狭山事件(無限回廊)
事件の大まかな流れをつかむならここ。
狭山事件を検証する
実際に現地調査に赴き、膨大な証言や証拠について詳細に検証しているサイト。
もちろん真犯人についても様々な考察を行っており、非常に読み応えがある。
著者は個人的興味からこの事件を検証し始めたということだが、現在は再審請求活動にも携わっている模様。

<おまけ>
最近ではこの事件が『となりのトトロ』の元ネタといわれているらしい。
トトロは死神、さつきとメイは既に死んでいて、作中に登場するのは幽霊。映画の物語は娘達を亡くした父親の妄想……という救いはないんですかー!という内容。
この都市伝説について書いてあるサイトは結構あって、その中には読んで信じてしまう子もいるだろうなという迫力のあるサイトもある。
でも、そういうサイトの当事件に対する記述は結構いい加減。
例えば遺体はバラバラにされて遺棄されたとあるが、そのような事実はない。
(他にもあるが、ググればこの事件に詳しい人達の反論が色々出てくるので、詳しくはそちらをどうぞ。)
被害者の姉は身代金の受け渡しにも関わっており、後に理由のよく分からない自殺(真犯人を知ってしまったからだという説もある)で亡くなられているのは事実だ。
でも、この被害者姉妹の関係をさつきとメイに当てはめるのはかなり無理があると思う。

トトロ=ツァトゥグァ説の方がよほど信憑性がある。ポニョがアレだったし。