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パラコート

パラコート Paraquat
ビピリジニウム系に分類される非選択型除草剤の一種。
イギリスで開発され、日本でも1965年に発売されている。
除草効果が高いことから広く使われているが、一方で毒性が強いために自殺や無差別殺人事件に使われた。
中毒症状を起こすと、最初は嘔吐やショック症状が見られる。
数日中に肝機能障害や腎臓障害が現れ、この中毒症に特徴的な肺水腫・肺線維症により死に至る。
ヒトの経口最小致死量は30mg/kg。
致死率は高く、有効な治療法は現在も確立していない。
血漿中のパラコート濃度と摂取してからの時間から生存・死亡が予測出来る(プラウドフットの生存曲線)。
現在は濃度を低くし、ジクワットとの混合溶液として販売されている。
着色したり嘔吐剤を混ぜたりなど事故防止策が取られている。

<作用機序>
パラコートは細胞内に入ると、NADPHから電子を受け取ってパラコートラジカルに変化する。
パラコートラジカルは酸化されてもとのパラコートに戻るが、その際に活性酸素を発生する。
この活性酸素が細胞を傷害し、やがては細胞死へと至らしめる。
パラコート←→パラコートラジカルへの変化は繰り返し起こるので、少量でも強い毒性を示す。
パラコートラジカルの発生する場所としてミクロソーム説とミトコンドリア説とがあるらしい。

参考
パラコート中毒、ジクワット中毒(gooヘルスケア)

<パラコート連続毒殺事件>
1985年に日本各地で起きた無差別毒殺事件。
自動販売機の商品受け取り口にパラコートを混入したジュースなどを置いておくという手口で、置き忘れだと思いこれを飲んだ人々が中毒症状を起こした。
模倣犯を含め34件の事件が起き、13人が死亡している。

パラコート連続毒殺事件(wikipedia)
余談だが、この項の自演というところにある東大阪の中学生の事件が切ない。

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