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日高広明

1996年4月から9月に広島県で起きた連続女性殺人事件の犯人。
被害者は援助交際をしていた高校生や売春婦4人。
殺害後、金銭を奪って遺体を遺棄した。
1996年9月21日に逮捕され、2002年に一審死刑判決。
2006年12月25日に死刑執行。享年44。

<概要>
日高広明は1962年、宮崎県の農家に生まれた。
高校生の頃までは成績も運動神経も良く将来を期待されていたが、受験に失敗して不本意な大学に入学して以降、コンプレックスを増幅させていった。
酒やギャンブルを覚え、大学を中退した日高は実家に帰るも、酒気帯び運転やひったくりなどを繰り返した。
1986年には強盗で逮捕され、二年の実刑判決を受けている。

1989年、出所した日高は広島県に移り、タクシー運転手となる。
酒と女で借金を重ねるが、1992年に結婚して借金を清算、それなりに幸せな生活を送った。
翌年には子供にも恵まれる。しかし、出産後に妻が精神を病み、日高は再び酒におぼれ借金を重ねるようになった。

1996年4月18日、日高は最初の事件を起こす。
被害者は16歳の少女で、日高は援助交際目的で彼女に声を掛けた。
ホテルに入ったものの、少女の身の上話に同情した日高は何もせずに金だけを渡した。
そして呉へと送ると約束して、タクシーに乗せた。
呉へと向かう途中、日高は少女の所持金を狙い、彼女の殺害を決意する。
人気のない道でタクシーを止めた日高は、少女をネクタイで絞殺し、現金5万円を奪った。遺体は広島市内に遺棄した。

少女の遺体は18日後に発見されたが、日高の周囲に警察が現れることはなかった。
このことに自信を得た日高は、次の事件を起こす。
8月13日、日高は一人目の被害者を拾った公園で23歳の女性に声を掛けた。
深夜ホテルを出た後、日高はタクシーを山中で止め、被害者を絞殺して現金約5万円を奪い、遺体を遺棄した。

9月7日、日高は三度目の犯行に及ぶ。
被害者は以前から顔見知りだった45歳の女性で、タクシーの車内で絞殺した。
所持金約8万円を奪った後、遺体を遺棄。
9月14日には四度目の事件を起こす。
被害者は32歳の女性で、深夜にホテルを出た後、やはりタクシー内で絞殺した。
彼女の遺体は数時間後に発見され、目撃証言から日高が浮かび、9月21日に逮捕された。

2002年に一審死刑判決。控訴はせず、死刑が確定。
2006年12月25日に死刑執行。享年44。

<ノンフィクション>

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 新潮45編集部 新潮文庫


<おまけ>
山崎紗也夏の漫画『サイレーン』に登場するタクシードライバーの連続殺人犯の元ネタは、恐らく日高と前上博(2005年に起きた自殺サイト殺人の犯人。白ソックスに性的興奮を覚えていた)だと思う。

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