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リシン

トウゴマの種子から抽出される毒性タンパク質。
毒性は非常に強く、成人でも3mg吸入すると死に至る。
過去には生物兵器として利用されたこともあり、現在もテロへの利用が懸念されている。
実際、1978年にイギリスで発生したGeorgi Markov 暗殺事件に使用された前歴がある。
また、2003年にはアメリカのホワイトハウスにリシン入りの手紙が送られている。
同様の事件は2013年4月にも発生した。

なお、日本語だとアミノ酸のリシン(lysine)と発音は同じだが、こちらの綴りはricin。

<作用機序>
28S rRNAを切断し、リボソームによるタンパク質合成を停止させる。
タンパク質を合成出来なくなった細胞は死に至り、組織の機能不全に至る。
吸引してから4-24時間後には発熱・咳・息苦しさ吐き気・関節痛などの症状が現れ、1日半〜3日ほどで死に至る。

<治療>
現在のところ、有効な治療法はない。
ワクチン開発や解毒剤の探索が進められている。

万が一リシンに触ってしまったら、口や鼻には触れず、すぐに手を洗う……どこ見てもこのくらいのことしか書いてないのが恐ろしいところ。

<参考>
The quick facts about ricin (Nature・英語)
US ricin attacks are more scary than harmful (同上)
2013年の事件を受けたリシンに関する科学雑誌Natureのニュース記事。
上はリシンの解説、下はワクチン開発の現状についての記事。
PDBjの今月の分子2013年にも記載あり。

リシン毒素について(横浜市衛生研究所)
Georgi Markov 暗殺事件についてはこちらを。
被害者は傘に偽装した武器で襲われ、リシンを埋め込んだ弾丸を打ち込まれたそうだ。
まるで映画のよう……
なお、この弾丸はイギリスのスコットランドヤード犯罪博物館に保存されているらしい。

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