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アリエル・カストロ

Ariel Castro
オハイオ州クリーブランドで2013年5月6日に発覚した女性誘拐監禁事件の犯人。
2002年から2004年にかけて三人の女性を誘拐し、監禁して暴行していた。
被害者のうち一人は監禁中に彼の子供を出産、生まれた娘は救出された時には6歳になっていた。
2013年7月26日、誘拐や暴行などの937の罪により釈放なしの終身刑および1000年の禁固が言い渡された。
2013年9月3日、刑務所内で自殺した。

<概要>
カストロはプエルトリコ移民の二世で9人兄弟の一人だった。
1991年からスクールバスの運転手として勤務していた。
結婚後、1992年には後に犯行現場となる自宅を購入した。
カストロは近隣住民にはおおむね評判が良かったが、妻には暴力をふるった。
1996年、妻は四人の子供を連れて家を出ている。
その後も彼はこの元妻に脅迫を続けていたという。

最初の犯行は2002年8月22日に行われた。被害者は当時21歳だった。
彼女の失踪は息子の養育権を失った失望と怒りによるものと考えられ、全米犯罪情報センターから事件に関するデータは削除された。
なお監禁中、彼女は少なくとも5回妊娠したが、カストロは彼女の腹部を殴るなどして流産させた。

二度目の事件は2003年4月2日に起きた。
被害者は17歳の誕生日を翌日に控えた少女だった。
彼女は仕事帰りに家族に電話した後、姿を消した。
監禁中、カストロの娘を出産したのが彼女である。
彼女の失踪事件はテレビ番組で取り上げられるなどしたが、結局2013年まで彼女は見つからなかった。
なお、彼女の母親は霊能力者に捜索を依頼したが、娘は既に死んでいると言われたという。
この母親はその後も娘の行方を捜し続けたが、2006年に死去した。

最後の事件は2004年4月2日に起きた。
三人目の被害者は誘拐当時14歳で、彼女とカストロの娘は友人だった。
この事件は前述の二つ目の事件との関連が疑われ、大々的に捜査されていた。
カストロも捜索活動に参加していたという。

事件の発覚は2013年5月6日のことだった。
二人目の被害者が助けを求めて大声を上げた。気付いた近隣住民がドアを蹴破り、彼女と娘を救助した。
通報を受けた警察により他二名も保護された。
警察はカストロと彼の兄弟二人を逮捕した(兄弟については後に無関係と判明し、釈放された)。

2013年7月26日、誘拐や暴行などの937の罪により釈放なしの終身刑および1000年の禁固が言い渡された。
当初、検察は死刑を求刑するとみられていた。
カストロは司法取引に応じ、罪を認める代わりに死刑を免れた。
2013年9月3日、刑務所内で首つり自殺した。

<リンク>
Ariel Castro kidnappings (Wikipedia en)


<類似の事件>
キャメロン・フッカー
1977年、オレゴン州でヒッチハイク中の女性を誘拐、以後7年にわたり監禁して暴行を加えていた。
フィリップ・ガリドー/ナンシー・ガリドー
1991年に少女を誘拐し、19年間監禁した夫妻。2009年に被害者は当時11歳と15歳の娘二人と共に救出された。

フィリップ・ガリドー/ナンシー・ガリドー

1991年6月10日にアメリカ・カリフォルニアで発生した少女誘拐事件の犯人。
2009年8月26日、被害者は当時11歳と15歳の娘二人と共に救出される。
娘達は犯人の子供だった。
フィリップ・ガリドーは懲役431年、ナンシー・ガリドーは懲役36年の刑が確定し、服役中。

<概要>
被害者は当時11歳の少女で、バス停でスクールバスを待っていたところを無理矢理車に押し込められて誘拐された。
家族が犯行現場を目撃し、追跡を試みるが失敗。
この事件はマスコミでも大きく取り上げられ、大々的な捜索が行われたものの、結局彼女は見つからなかった。

主犯のフィリップは薬物常用者で性犯罪の前歴もある男だった。
犯行当時も仮釈放中で、足首には追跡用のGPSを付けていた。
被害者は繰り返し暴行され、時には薬物を注射されることもあったという。
監禁中、彼女はフィリップの娘二人を妊娠・出産している。
最初の出産は、彼女が14歳の時だった。
被害者はガリドー宅の裏庭の小屋などに監禁されていたが、時折子供達と外出したり、ガリドーの印刷会社を手伝ったりもしていた。

救出のきっかけはフィリップが娘二人を連れてカリフォルニア大学バークレー校を訪れたことだった。
この時の挙動を不審に感じ、警察がフィリップの身元を確認。
翌日、フィリップは妻と被害者、子供達を連れて保護観察官オフィスに現れた。
そこで被害者の身元が発覚。彼女と娘達は保護された。
誘拐事件から19年の歳月が過ぎていた。

主犯のフィリップは懲役431年、ナンシーは懲役36年の刑が確定した。
なお、被害者を救出するチャンスは何度かあった。しかし、当局はそのチャンスをことごとく逃している。
カリフォルニア当局は被害者に2000万ドルの保証金を支払った。

<リンク>
ジェイシー・リー・デュガード誘拐事件(wikipedia)

<ノンフィクション>

奪われた人生 18年間の記憶 ジェイシー・デュガード 講談社

被害者の少女自身が発表した手記。
自身の身に降りかかったおぞましい事件についてかなり詳細に書いているが、その筆致は冷静。
また生まれた子供達に対しても、彼女は深い愛情を示している。
精神的に強く、なおかつ愛情深い女性という印象を受けた。
なお、被害者は2013年に発覚した3女性監禁事件でもコメントを出している。
10年監禁の3女性に「傷を癒やす時間を」、類似事件の被害者が訴え(APF)


<類似の事件>
アリエル・カストロ
オハイオ州クリーブランドで2002年から2004年にかけて3人の女性を誘拐し、監禁して暴行した。
キャメロン・フッカー
1977年、オレゴン州でヒッチハイク中の女性を誘拐、以後7年にわたり監禁して暴行を加えていた。

キャメロン・フッカー

1977年、オレゴン州でヒッチハイク中の女性を誘拐、以後7年にわたり監禁して暴行を加えていた。
動機は若い女を『奴隷』としたかったから。
犯行には彼の妻ジャニスも関わっていたが、罪を悔いた彼女の助力により被害者は逃亡、事件が発覚した。
なお、以前にも女性を誘拐、殺害して遺棄したらしい(遺体が見つからず、起訴はされなかった)。
キャメロン・フッカーは誘拐や性的虐待などの罪で禁固104年の刑を受け、現在も服役中。

<概要>
被害者は拉致当時二十歳の女性。友人のパーティーに行く途中でフッカー夫妻の車に乗り、誘拐された。
彼女は夫妻の家の地下室に連れて行かれ、吊り下げられ鞭で打たれるなどの凄惨な暴行を繰り返し受けた。
フッカーは被害者の頭部に外界を遮断する箱を被せ、地下室に監禁し続けた。

キャメロンは被害者に「自分は奴隷売買組織の一員」と語り、逃亡を試みた奴隷の哀れな末路を語った。
そして、彼は被害者に奴隷契約書のサインをさせ、Kという奴隷としての新しい名を与えた。

キャメロンはサディストで、若い女の奴隷を熱望していた。
妻ジャニスは夫に対して従順ではあったが、マゾヒストでもサディストでもなかった。
被害者を拉致した後、彼女は罪の意識に耐えきれず家出をしたこともあった。
しかし、結局は家に戻り、夫と子供、そして被害者と生活を続けた。

監禁生活が3年を過ぎた頃、被害者はすっかり従順になっていた。
監視付きとはいえ外出も許されたが、彼女が逃げることはなかった。
キャメロンは「ご褒美」として、家族や友人との連絡まで許している。
しかしその後、キャメロンは被害者の洗脳が弱くなったと感じ、彼女は再び地下室に監禁されることとなった。

更に3年ほど経つと、キャメロンは被害者を外に出すことを決めた。
彼は被害者にモーテルでメイドとして働くように命じた。
この頃から被害者とジャニスは親しくなり、共に聖書を読むなどして信仰に救いを求めるようになった。
やがて罪の意識に耐えきれなくなったジャニスは、被害者に奴隷売買組織のことは真っ赤な嘘と教え、二人で家を出た。
そして被害者はようやく家に帰ることができた。誘拐から7年3ヶ月もの年月が過ぎていた。

一方、ジャニスは夫に泣きつかれ、再び彼の元へと戻っていた。
一時は反省の態度を見せていたキャメロンであったが、すぐに元に戻ってしまった。
意を決したジャニスは夫を告発。
キャメロンは逮捕され、禁固104年の判決を受けた。
なお、共犯のジャニスは起訴されなかった。

<リンク>
Kidnapping of Colleen Stan (wikipedia 英語版)
この事件の概要。この記事によれば被害者女性は結婚して子供もいるようだ。

実録!監禁&洗脳からの生還SP(奇跡体験アンビリバボーWebサイト)
以前テレビで取り上げられた時の概要。

Lady(monsters)
事件の記述は結構下の方。

<ノンフィクション>

完璧な犠牲者 クリスティーン・マクガイヤ&カーラ・ノートン 角川文庫

読みたいが絶版らしい。

<フィクション>

地下室の箱 ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー

この事件を元にした小説。
被害者が妊婦だったり監禁期間が短かったりと実際の事件とは異なっている。
ケッチャムにしてはハッピーエンド。
『箱の中の女』という日活ロマンポルノもこの事件が元ネタらしい(未見)。


<類似の事件>
フィリップ・ガリドー/ナンシー・ガリドー
1991年に少女を誘拐し、19年間監禁した夫妻。2009年に被害者は当時11歳と15歳の娘二人と共に救出された。
アリエル・カストロ
オハイオ州クリーブランドで2002年から2004年にかけて3人の女性を誘拐し、2013年に逮捕されるまで監禁して暴行した。

ゲイリー・ハイドニック

1986〜1987年にかけ、アメリカ・フィラデルフィアで女性6人を誘拐した後監禁、暴行を加え、うち2人を殺害した。
被害者は全員黒人の女性。
監禁した理由は「子供を産ませるため」。
女性達は拷問を加えられ、何度もレイプされた。
被害者の1人が逃げ出し、事件が発覚。
1999年に処刑された。

<概要>
ハイドニックは精神疾患を抱えており、事件以前には幾度もの入退院や自殺未遂を繰り返している。
しかし、彼の知能は高く、株式投資によりかなり資産を築いていた。
1970年代、「教会を開き、子供を作れ」という「神の啓示」を受けた彼は、宗教法人を立ち上げる。
ハイドニックはスラム街で熱心な布教活動を行っていたという。

やがて信者の女性数人(全員知恵遅れだという)との間に子供が生まれたが、ハイドニックはこの女性達も監禁したり虐待を加えたりしていた。
この子供達は全員養子や施設に送られ、結局彼の手元には残らなかった。
その後、ハイドニックはフィリピン人の女性と結婚するが、すぐに離婚。
この女性は後にハイドニックの子供を出産したが、彼には手紙を送っただけだった。

1986年、ハイドニックは最初の事件を起こす。被害者は26歳の売春婦だった。
その後、第二の被害者となったのは以前にハイドニックの子を中絶した女性だった。
年末には1人、翌1987年初頭に更に2人の女性が相次いで誘拐され、被害者の列に加わった。
女性達はハイドニックの家の地下室に監禁され、日々暴行を加えられた。

そのうち、特に反抗的だった女性(2番目の被害者)がパンを喉に詰まらせて死亡した。
ハイドニックは彼女を解体し、その肉を女性達に与えるドッグフードに混ぜた。
その後、やはり反抗的だった女性(4番目の被害者)が拷問中に死亡する。

このとき、ハイドニックは女性達の一人(第一の被害者)をとりわけ信用し、特別扱いしていた。
彼女は死体の遺棄にも協力し、他の女性達の管理にも積極的に協力、新たな被害者の誘拐にも手を貸していた。
しかし、それは彼女の演技であった。
彼女はハイドニックに「一目子供に会いたい」と言い、逃げ出すことに成功する。
そして警察に駆け込んだ彼女の告発により、残りの3人も救出され、ハイドニックは逮捕された。

<リンク>
ゲイリー・ヘイドニク(monsters)

<フィクション>
2013年6月に日本公開になる『コレクター』は、この事件を元にしているらしい。
映画公式サイトには「リアル・サイコ・サスペンス」とさも実際に起こった事件を描いたように書いてあるが、あらすじを見る限り、元ネタにしたという程度。
英語版のwikiにはこの映画の項目があるが、ゲイリー・ハイドニックには触れられてない。
ここを見る限り、どっちかというと2009年にアメリカで発覚した少女誘拐・長期監禁事件の方が元ネタっぽい。
なお、この映画は2012年アメリカ公開。DVDも出ている模様。
この間のオハイオ州の事件を受けて、急遽日本でも劇場公開を決めたのではなかろうか?
安易な邦題もそんな妄想をかき立てる。
この手の女性拉致監禁ものの邦題を『コレクター』ってタイトルにするのはいい加減止めて欲しい。
(10年くらい前にも『コレクター』という邦題の女性監禁ものの映画があった。)
この映画も原題の『The factory』でいいじゃんか。
リメイクでもないのに(最初タイトル見た時、一瞬リメイクなのかと思った)、往年の名作映画『コレクター』との混同はいい加減止めてほしい。