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中村誠策

1938〜42年にかけ、静岡県浜松において4件の事件を起こし、9人を殺害し6人に傷害を負わせた犯人。
聾唖者であり、逮捕当時はまだ18歳だった。
1942年10月に逮捕され、戦時刑事特別法により二審のみで死刑判決を受けた。

<概要>
中村誠策は7人兄弟の6男だが、兄弟で唯一生まれつきの聾唖者で、家族には冷遇されていた。
頭は良く、聾唖学校でトップの成績だったという。

中村が最初の事件を起こしたのは1938年、14歳の時だった。
8月22日の未明、強姦・強盗目的で芸妓置屋に侵入、抵抗した女将と芸妓をナイフで刺した。
なおこの事件が中村の犯行であると発覚したのは、逮捕後の自供による。

1941年8月18日、中村は第二の事件を起こす。
置屋に侵入して芸妓二人を刺し、一人を死なせた。
その直後の20日には新たな事件を起こし、侵入した料理店で就寝中の3人を刺殺した
中村は警察の取り調べを受けたが、翌月の27日、今度は強盗を装い自宅の家族を襲った。
兄を殺害し、兄嫁とその子供、父親と姉の4人に重傷を負わせた。

翌1942年8月30日、中村は電車でたまたま乗り合わせた女性の家に侵入した。
女性の両親と姉と弟を殺害した上、彼女を強姦しようとしたが失敗し、逃走。
10月12日に逮捕され、犯行を自白した。
金(学費を自分で稼ぐため)と強姦目的の犯行だった。

家族は中村の犯行だと分かっていたが、報復を恐れて黙っていた。
父親は中村の逮捕直後に自殺したという。
戦時刑事特別法により二審のみで死刑判決を受け、まもなく刑が執行された。
なお、当時は聾唖者は死刑にできないという法律があった(刑法旧第40条、平成7年の改正で削除)が、静岡地裁浜松支部は被告人を聾唖者ではなく難聴者と認定して死刑判決を下した。

<ノンフィクション>

戦前の少年犯罪 管賀江留郎 築地書館



日本の精神鑑定 内村祐之・吉益脩夫(監) みすず書房

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