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関根元・風間博子

関根元
風間博子
山崎永幸

1993年に埼玉県熊谷市周辺で発生した、いわゆる埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人グループ。
首謀者は関根元と風間博子(二人は元夫婦)で、山崎は共犯であった。
関根が経営していたペットショップのトラブルが発端となり、少なくとも4人が殺害されている。
証拠隠滅により捜査は難航したが、1995年1月に全員逮捕された。
1996年には二審で共犯の山崎に懲役3年の判決(既に刑期を終えて出所)。
2009年6月5日に最高裁で関根及び風間への死刑判決が確定。

<概要>
関根元は1942年に埼玉県秩父市に生まれた。子供の頃から嘘つきで「ホラ元」と呼ばれていた。
ヤクザの使い走りやヒモまがいの生活を送っていたが、犬の交配ビジネスに目を付け、悪質な商売を始めた。
当初は秩父市に店を構えていたが、売った子犬を殺して新しい犬を売りつけたり、トラやライオンなども扱っていたりしたため近隣住民や暴力団ともトラブルになり、熊谷市に移った。

1982年、熊谷で「アフリカケンネル」というペットショップを開いた関根は、そこで後に共犯となる風間博子と知り合い結婚する。関根は7度目の、風間は2度目の結婚だった。
風間の実家は資産家で財産を目当てとした結婚とも言われるが、話術巧みでブリーダーとしても有能な関根と金銭管理に長けた風間の共同経営により店は繁盛していたという。
しかし、その一方で悪質な商売は相変わらずで、客とは常にトラブルを抱えていた。
1984年には関根の周囲で少なくとも3人の失踪者がいる。
うち一件については、後に共犯者が警察に証言したが、物証は得られず警察は立件を断念している。

バブル崩壊後、夫妻は売上の減少や家や繁殖場の新築などにより1億円以上の借金を抱えていた。
1993年、関根は客に繁殖ビジネス(客につがいを購入させ、子犬が生まれたら店が高額で引き取るというもの)を勧め、犬のつがいを不当な高額で売りつけた。
騙されたことに気付いたこの客が代金の返金を求めトラブルになり、夫妻はこの客の殺害を計画した。
同年4月20日、関根は被害者を呼び出し、硝酸ストリキニーネ(犬の安楽死用に用いられる筋弛緩剤)を飲ませて殺害した。
その後、従業員の山崎永幸を脅して被害者の車を移動させ、あたかも失踪したかのように偽装した。
遺体は群馬県片品村に運び、バラバラに切断して焼却して近隣の山林や川に遺棄した。

しかし、この被害者の家族が失踪と関根らとの関係を疑って押しかけてきた。
この仲裁に顔見知りの暴力団幹部に助力を求めたところ、この幹部は逆に夫妻を脅迫して金銭を要求してきた。
1993年7月21日、関根らはこの幹部と運転手の男性二人を硝酸ストリキニーネで毒殺する。
夫妻は群馬県片品村で遺体をバラバラにして解体、山崎もそれに協力した。
翌朝、遺体は近隣の川などに遺棄された。

この一月後の8月26日、関根は客の女性を一人殺害している。
彼女は関根と愛人関係にあり、高額な犬を買わされていただけでなく、店の出資金名目で270万円を搾取されていた。
関根は被害者を硝酸ストリキニーネで毒殺した後、山崎と共に遺体を解体して遺棄した。
なお、この事件には風間は関わっていないとされている。

翌1994年、大阪愛犬家連続殺人事件が発覚、類似事件としてマスコミが本事件について報道し始めた。
事件はワイドショーなどで連日報道され、関根はインタビューに応じて身の潔白を主張した。

警察も捜査をしていたが、関根の徹底的な証拠隠滅(関根は遺体処理を「ボディを透明にする」と呼んだという)により捜査は難航した。
警察は山崎と1984年の事件の共犯とされる人物を聴取、12月には山崎が犯行を自供し、遺骨や遺留品が発見された。
翌1995年1月5日、関根・風間が逮捕、8日には山崎も逮捕された。

夫妻は1993年の事件前に離婚していた。
これは税務対策のための偽装離婚だったようだが、裁判ではお互いに罪をなすりつけ合った。

1995年12月15日、山崎に懲役3年の実刑判決。
1996年6月7日、二審で控訴棄却され、山崎も上告しなかったために懲役3年が確定。

2001年3月21日、関根・風間に一審で死刑判決。
2005年7月11日、二審で控訴棄却。両名とも上告。
2009年6月5日、最高裁が上告を棄却し、関根・風間の死刑判決が確定。

2017年3月27日、関根は獄中で病死した。享年75。

<リンク>
最高裁判決文(PDF)
埼玉愛犬家連続殺人事件(wikipedia)
埼玉愛犬家殺人事件被告夫婦の娘 両親逮捕以後の人生を告白(NEWSポストセブン)

<ノンフィクション>

愛犬家連続殺人 志麻 永幸 角川文庫

共犯の山崎永幸(志麻永幸はペンネーム)による事件の手記。
本書は事件の詳細を共犯者自らが書いているという触れ込みだけあって、内容はかなり強烈。描写もエグい。

ところで、本書とほぼ同じ内容(らしい)本が別にある。

悪魔を憐れむ歌  蓮見圭一 幻冬舎

どうも先の本に関わったゴーストライターによるものらしい(未読)。

<映画>

冷たい熱帯魚

本事件を基にした映画。犬ではなく熱帯魚のブリーダーという設定になっている。
エグい描写が激しく見る人を選ぶとは思うが、スプラッタが平気なら見る価値あり。

余談だが、この映画は結構評判が良く、原案と思われる志摩の『愛犬家連続殺人』は古本でも結構良い値段を付けている。
でも出版元の角川は再版どころか電子書籍化もしていない。
ゴーストライターがほぼ同じ内容の本を出している辺り、多分権利関係で何かしらあったんだろうが、非常にもったいないと思う。

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