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八王子スーパー強盗殺人事件

1995年7月30日、東京都八王子市大和田町のスーパーで起きた強盗殺人事件。
事件は閉店後のスーパー二階事務所で起き、パート・アルバイトの女性三人が射殺された。
警視庁による正式な呼称は大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件。
2014年現在、未解決。

<概要>
1995年7月30日午後9時15分過ぎ、東京都八王子市大和田町のスーパー「ナンペイ大和田店」の二階事務所に何者かが押し入った。
当時事務所にいたのは当時47歳のパート女性とアルバイトの女子高校生二人の計三人。
女子高校生二人は粘着テープで口を塞がれ、背中合わせの状態で手を縛られていた。犯人は至近距離から後頭部に発砲、2人を殺害した。
パート女性も頭部に二発の銃弾を受けて殺害された。腹部には刺傷痕もあった。

警察は強盗殺人事件とみて捜査しているが、犯人は何も奪わず逃走しており、事務所内の金庫を開けようとした形跡はなく、その他の貴金属類にも手をつけていない。
このため怨恨が動機という説もある。
また、凶器が拳銃なことや三人もの人間をためらいもなく殺害したことから外国人説もある。

犯人として2002年に逮捕された70代男性(この男は警察庁長官狙撃事件でも名前が挙がった)や、中国の日本人死刑囚(2010年に死刑執行)、カナダ在住の中国人などが報道されたことがある。
しかし、いずれも逮捕には至っていない。

公訴時効の撤廃により、2014年現在も捜査中。
捜査特別報奨金制度の対象で、600万円の懸賞金がかかっている。

<リンク>
大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件(警視庁)

『悪魔の詩』訳者殺人事件

1991年7月11日に筑波大学キャンパス内で発生した殺人事件。
被害者は同大学助教授で、エレベータホールで刺殺されていた。
被害者が小説『悪魔の詩』を翻訳していたことから、犯人とイラン革命政府の関係が取りざたされたが、2006年に時効が成立した。

<概要>
『悪魔の詩』(原題:The Satanic Verses)はイギリス人作家サルマン・ラシュディが1988年に発表した小説で、イギリス国内では高く評価された。
しかし、その内容がイスラム教を冒涜するものだとして、ムスリム社会では激しい反発を招いた。
1989年2月、当時のイラン最高指導者ホメイニは著者や発行に関わった者に対して死刑宣告を行った。そして処刑を実行した者には多額の報奨金(日本円にして数億円)を与えると発表した。
欧米諸国はこれに激しく反発、イギリス政府は著者を手厚く保護した。
同年6月、ホメイニが亡くなったため、この死刑判決は撤回出来なくなってしまった。

そして、1991年7月3日、イタリア語翻訳者が襲撃される事件が起きた。
日本での事件が起きたのはその直後の11日だった。
被害者は『悪魔の詩』の日本語翻訳を行った五十嵐一氏。
彼は午後10時頃、勤務先の大学構内のエレベータホールで刺殺された。
首の左右の頸動脈を切り裂くなど、その手口は独特なものだった。
遺体が発見されたのは翌12日の午前8時頃。
目立つ場所での犯行は見せしめのためと言われている。
その後も1993年にノルウェー語翻訳者が襲撃される事件や、トルコ語の翻訳者グループの集会が襲われて37人が死亡する事件が起きている。

1998年、イラン政府は死刑判決の撤回はできないが、今後一切の関与も懸賞金の支持もしないと表明した。
しかし、現在もイランの宗教団体が著者暗殺の懸賞金を続けている模様。

2006年、日本の事件における時効が成立した。
ただし、この時効は犯人が犯行後ずっと日本国内にいたと仮定した場合である。


悪魔の詩(上・下) 新泉社

<リンク>
悪魔の詩訳者殺人事件(wikipedia)

<ノンフィクション>

日本凶悪犯罪大全 SPECIAL 犯罪事件研究倶楽部 イースト・プレス

北関東連続幼女誘拐殺人事件

1979〜1996年にかけ、栃木県足利市および群馬県太田市で起きた五件の未解決女児誘拐殺人事件。
当初、これらの事件は別件と考えられておち、うち一件では犯人として男性が逮捕されていた。
しかし、2007年にジャーナリスト清水潔がこの五件を同一犯による連続誘拐殺人の可能性を指摘。
逮捕され実刑に服していた男性も証拠の再鑑定により釈放、再審で無罪となった。

<概要>
1979〜1996年にかけ、栃木県足利市および群馬県太田市では四件の誘拐殺人および、一件の行方不明事件(いずれも未解決)が起こっている。
この二つの市は隣接しており、事件現場が半径20キロ以内にあること、また、被害者はいずれも8歳くらいまでの女子児童で、被害者が誘拐された場所や遺体の遺棄現場に共通点が見られることから、ジャーナリストの清水潔が同一犯による連続女児誘拐殺人の可能性を指摘した。

・第一の事件
1979年8月3日に発生。栃木県足利市で当時5歳の女児が行方不明になり、数日後に渡良瀬川付近で遺体が発見された。
・第二の事件
1984年11月17日に発生。栃木県足利市で当時5歳の女児がパチンコ屋で行方不明になり、翌年3月に遺体が発見された。
・第三の事件
1987年9月15日に発生。群馬県太田市で当時8歳の女児が行方不明になり、翌年11月に発見された。
・第四の事件
1990年5月12日に発生。栃木県足利市で当時4歳の女児がパチンコ屋で行方不明になり、翌日渡良瀬川河川敷で遺体が発見された。
なお、この事件と第一の事件はまとめて足利事件と呼ばれている。
翌1991年、警察はDNA鑑定を証拠として同市内に住む男性を逮捕、2000年には無期懲役の判決が下っている。
しかし、清水らの調査により冤罪の可能性が指摘され、証拠の再鑑定が行われた。
結果、この男性は犯人ではないということが示され、2010年には再審で無罪となった。
・第五の事件
1996年7月7日、群馬県太田市で当時4歳の女児がパチンコ屋で行方不明になった。
この女児は現在も行方不明。


(2014年6月4日追記)
この他にも周辺地域では児童が犠牲となった未解決事件が数件起きている。
そのうちの一つが2005年2005年12月1日に栃木県今市市(現日光市)の当時7歳の女児が刺殺されて茨城県の山林に遺棄された事件である。
この事件については2014年6月3日に容疑者が逮捕された(時事通信の該当記事)。
この容疑者は1984年生。先に紹介した事件の犯人と同一人物であるとは考えにくい。


<ノンフィクション>

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 清水潔 新潮社

本事件を発見し、再調査した清水潔によるルポルタージュ。
清水は目撃証言や遺留品のDNA鑑定の結果から、真犯人と思しき人物を特定したとしている。
とにかく読ませる。

テキサスキリングフィールズ

Texas Killing Fields

アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンからガルベストンの間、およぞ50マイル(約80km)に点在する湿地帯を指す。
1970年代から現在までに30人以上の若い女性の遺体が見つかっている。
一部解決した事件もあるが、その多くは未解決である。

<概要>
この土地は事故の多さから"Highway of Hell"とも呼ばれるInterstate 45(州間高速道路)沿いにある。
ヒューストンやガルベストンといった街も近いが、街や道路から少し離れると無人の広大な湿地帯が広がっている。
高速道路沿いというアクセスの良さに加え、人目もなく、被害者が逃げる場所もないことから、この辺りは人を殺し、逃げるには完璧な場所とも言われる。

被害者は近隣の街に住む10代から20代の女性が多く、1970年代からこれまでにおよそ30人の遺体が見つかっている。
このうち、1996年に遺体が発見された当時13歳の少女の事件については2012年4月に犯人が逮捕された。
だが、ほとんどの事件については未解決のままとなっている。
被害者の年齢や身体的特徴、遺体の遺棄場所などの共通点が見られることから、連続殺人犯の存在も指摘されている。
なお2011年、1970年代にガルベストンの少女11人を殺害したと72歳の殺人で収監中の男が名乗り出ている。
この男は長い間容疑者として疑われていた。しかし結局、証拠は得られなかったという。

<映画>

キリング・フィールズ 失踪地帯 Blu-ray

この場所を舞台にした映画がある。未見。
あらすじ見る限り、設定を流用しただけで実際の事件を基にしたという訳ではなさそう。

<リンク>
Wikipedia en

名古屋臨月妊婦殺人事件

1988年3月18日に名古屋で起きた殺人事件。
被害者は臨月の妊婦だった。
彼女は絞殺されて腹部を切り裂かれ、胎児を取り上げられていた。
2003年時効成立。

<概要>
被害者は自宅マンションに一人でいるところを襲われたらしい。
第一発見者は帰宅したばかりの夫だった。
この夫はいつも帰宅前に家に電話を入れていたが、この日は誰も出なかった。
不審に思った彼が部屋へと急ぐと、部屋のドアは施錠されていなかった。
玄関に入ると赤子の泣き声が聞こえたという。
夫が部屋に入ると、そこには両手を縛られ、首に電源コードを巻き付けて亡くなっている妻の姿があった。
そして、その足下では血まみれの赤子が弱々しく泣いていた。

被害者は絞殺された後、胸から下腹部にかけて鋭利な刃物で切り裂かれ、子宮内の胎児を取り出されていた。
胎児はへその緒を切られていた他、股間や膝の裏などを切りつけられていた。
また、空っぽになった被害者の子宮には受話器とミッキーマウスのキーホルダーが入れられていた。

犯人は被害者の財布から数千円の現金を盗んでいたが、他のものには手を付けていなかった。
また指紋などの証拠は一切残っていなかった。
被害者はマルチ商法に関わっていたらしく、その怨恨が犯行動機ではないかと考えられた。
また、異様な犯行から、死体損壊が趣味の異常者、胎児を取り上げていたことから医学生なども犯人像として挙げられた。
夫を始めとして事件の日に自宅前を通りかかった人までが捜査の対象となったが、結局犯人像すら分からないまま、2003年に時効を迎えた。

なお、第一発見者の夫と息子(この事件で生まれた子)は、海外に移住したそうだ。

<ノンフィクション>

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 「新潮45」編集部 新潮文庫