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井の頭公園バラバラ殺人事件

1994年4月23日、東京の都立井の頭恩賜公園のゴミ箱から切断された男性の遺体が見つかった事件。
公園内の複数のゴミ箱から計27個の遺体が見つかった。
2009年に時効。

<概要>
清掃員がゴミの中から猫の餌になりそうなものを探している最中、ビニール袋に入った足首を発見して事件が発覚。
見つかったのは手足と胴体の一部で、遺体は部位に関わらず20センチほどの大きさに切りそろえられていた。
これは遺棄場所のゴミ箱にサイズを合わせたものと考えられる。
なお、切断面には少なくとも3つのパターンがあり、複数犯の可能性もある。
また、遺体からはほぼ完璧に血を抜かれていた。
このような作業には特殊や設備や知識が必要とされる。
また手足の指紋や掌紋が切り取られるなど、身元を隠すための偽装工作もされていた。

DNAから特定された被害者は、近所に住む当時35歳の男性。
彼は特にトラブルを抱えていた様子もなく、遺体からも直接の死因が判明しなかったため、捜査は困難を極めた。
ある宗教が事件に関わっているという説もあれば、背格好の似た別人と間違って殺害されたのではないかという説も存在する。

その後、地下鉄サリン事件が起こり、捜査は停滞する。
結局犯人の目星すら付かず、2009年に時効を迎えた。

<ノンフィクション>

殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 「新潮45」編集部 新潮文庫

また、ご遺族が手記『心事の軌跡』を出版されている(絶版)。

<おまけ>
完全に与太話の類だが、事件の数年前に発売された真・女神転生の祟り説も存在する。
このゲームの作中でも、井の頭公園でバラバラ殺人事件が起こる。
神や悪魔を扱ったゲームで、実際、開発チームは奇怪な現象に見舞われたらしい。
実際、このシリーズの新作を作る際にはお祓いをかかせないという話だ。
お祓いをしなかったらしい真4は発売後……

キャメロン・フッカー

1977年、オレゴン州でヒッチハイク中の女性を誘拐、以後7年にわたり監禁して暴行を加えていた。
動機は若い女を『奴隷』としたかったから。
犯行には彼の妻ジャニスも関わっていたが、罪を悔いた彼女の助力により被害者は逃亡、事件が発覚した。
なお、以前にも女性を誘拐、殺害して遺棄したらしい(遺体が見つからず、起訴はされなかった)。
キャメロン・フッカーは誘拐や性的虐待などの罪で禁固104年の刑を受け、現在も服役中。

<概要>
被害者は拉致当時二十歳の女性。友人のパーティーに行く途中でフッカー夫妻の車に乗り、誘拐された。
彼女は夫妻の家の地下室に連れて行かれ、吊り下げられ鞭で打たれるなどの凄惨な暴行を繰り返し受けた。
フッカーは被害者の頭部に外界を遮断する箱を被せ、地下室に監禁し続けた。

キャメロンは被害者に「自分は奴隷売買組織の一員」と語り、逃亡を試みた奴隷の哀れな末路を語った。
そして、彼は被害者に奴隷契約書のサインをさせ、Kという奴隷としての新しい名を与えた。

キャメロンはサディストで、若い女の奴隷を熱望していた。
妻ジャニスは夫に対して従順ではあったが、マゾヒストでもサディストでもなかった。
被害者を拉致した後、彼女は罪の意識に耐えきれず家出をしたこともあった。
しかし、結局は家に戻り、夫と子供、そして被害者と生活を続けた。

監禁生活が3年を過ぎた頃、被害者はすっかり従順になっていた。
監視付きとはいえ外出も許されたが、彼女が逃げることはなかった。
キャメロンは「ご褒美」として、家族や友人との連絡まで許している。
しかしその後、キャメロンは被害者の洗脳が弱くなったと感じ、彼女は再び地下室に監禁されることとなった。

更に3年ほど経つと、キャメロンは被害者を外に出すことを決めた。
彼は被害者にモーテルでメイドとして働くように命じた。
この頃から被害者とジャニスは親しくなり、共に聖書を読むなどして信仰に救いを求めるようになった。
やがて罪の意識に耐えきれなくなったジャニスは、被害者に奴隷売買組織のことは真っ赤な嘘と教え、二人で家を出た。
そして被害者はようやく家に帰ることができた。誘拐から7年3ヶ月もの年月が過ぎていた。

一方、ジャニスは夫に泣きつかれ、再び彼の元へと戻っていた。
一時は反省の態度を見せていたキャメロンであったが、すぐに元に戻ってしまった。
意を決したジャニスは夫を告発。
キャメロンは逮捕され、禁固104年の判決を受けた。
なお、共犯のジャニスは起訴されなかった。

<リンク>
Kidnapping of Colleen Stan (wikipedia 英語版)
この事件の概要。この記事によれば被害者女性は結婚して子供もいるようだ。

実録!監禁&洗脳からの生還SP(奇跡体験アンビリバボーWebサイト)
以前テレビで取り上げられた時の概要。

Lady(monsters)
事件の記述は結構下の方。

<ノンフィクション>

完璧な犠牲者 クリスティーン・マクガイヤ&カーラ・ノートン 角川文庫

読みたいが絶版らしい。

<フィクション>

地下室の箱 ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー

この事件を元にした小説。
被害者が妊婦だったり監禁期間が短かったりと実際の事件とは異なっている。
ケッチャムにしてはハッピーエンド。
『箱の中の女』という日活ロマンポルノもこの事件が元ネタらしい(未見)。


<類似の事件>
フィリップ・ガリドー/ナンシー・ガリドー
1991年に少女を誘拐し、19年間監禁した夫妻。2009年に被害者は当時11歳と15歳の娘二人と共に救出された。
アリエル・カストロ
オハイオ州クリーブランドで2002年から2004年にかけて3人の女性を誘拐し、2013年に逮捕されるまで監禁して暴行した。

山地悠紀夫

2000年7月、山口県の自宅アパートで母親をバットで撲殺。
少年院を出所後の2005年11月、大阪で20代の姉妹の住むマンションの部屋に侵入、強姦して殺害した。
半月ほど後に逮捕。
一審で死刑判決を受けた。
弁護士らが控訴したが、本人が取り下げ、死刑判決が確定。
2009年に死刑執行。同日には前上博も死刑執行されている。

<概要>
山地は山口県出身。父親は建設業に従事、母親はパートで生計を立てていた。
母親の方は再婚で、離婚した元夫との間に子供が一人いたが、手元には引き取らなかったという。
親子三人の生活は厳しく、仕事で忙しい両親に代わり、父方の祖母が幼い山地の面倒を見ていたらしい。
父親はアルコール依存症で酔っては家族に暴力をふるっていたが、山地が小学生の頃に他界。以後、母親は一人で息子を育てた。
母親には買い物依存症の気があったらしく、生活は更に困窮した。
山地は小中学校でいじめられ、不登校気味だった。
中学卒業後は高校には行かずに新聞配達でアルバイトを始めた。
しかし、2000年7月、母親の借金や恋人との関係を邪魔されたという怒りから、山地は母親をバットで何度も殴り、殺害した。当時まだ16歳だった。
この事件により彼は少年院送致となる。しかし、山地は事件に対する反省の情を一切見せていない。
少年院の規律正しい生活は性に合ったらしく、彼はそれまであまり得意でなかった勉強に勤しみ、最終的にはいくつもの資格を取得した。

2003年に少年院を仮出所した後、山地は知り合いのつてでパチンコ店や露天商などで職を得た。
しかし、どの仕事は長続きはせず、最終的に山地はパチスロ機を不正操作して稼ぐ『仕事師』グループの一員になる。
当初は仲間とも上手くいっていた山地だったが、グループが稼げなくなると人間関係にも問題が出るようになった。
新たなる稼ぎ場を求めるグループに伴い、山地も福岡から大阪に移動した。

事件が起こったのはその直後だった。
山地はグループのアジトと同じマンションに住んでいた被害者姉妹に目を付ける。
2005年11月、山地は帰宅した姉を襲った。
山地は姉妹の部屋に押し入り、被害者を滅多刺しにして強姦した。
その後、妹が帰宅。山地は彼女にもナイフを振るった。
山地は姉妹の胸を刺してとどめを刺した後、財布などを盗んで逃走する。
半月後に逮捕され、「母親を殺した時のことが忘れられなかった」と動機を証言した。

<ノンフィクション>

我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人 小川善照 小学館

雑誌記者が取材を元に書いたノンフィクション小説。
事実を元に書かれているが、あくまでも小説仕立て。
ルポルタージュを期待して読んだら肩すかしを食らった。


死刑でいいです: 孤立が生んだ二つの殺人 池谷孝司 新潮文庫

共同通信の記者が山地の生育歴や事件の背景について追いかけた本。
山地本人に話を聞くことは出来なかったようだが、彼に関わる非常に多くの人々にインタビューしており、非常に読み応えがある。

なお、著者らはある種の精神障害が二つの事件の背景にあったのではないかと推察している。
この本によると、山地は高機能自閉症(いわゆるアスペルガー症候群)だったという(裁判では人格障害と診断された)。
現在の更正教育は反省に重点がおかれているが、山地のように反省のできない(「しない」ではなく、生来の障害により反省することができない)タイプの犯罪者相手には通用しない。
山本譲二『累犯障害者』(新潮文庫)にもあったが、人格障害や知的障害といったバックグラウンドのある犯罪者の中には、一般社会よりも規律正しく厳格なルールで行動を制限された刑務所の方がよほど居心地の良い人々が存在しているらしい。
彼らは障害により、一般社会では問題児扱いされる。しかし、刑務所のような環境だとかえって落ち着いて生活出来るという。
山地もこのタイプだった可能性がある。彼は落ちこぼれで高校にも進学しなかったが、少年院では勉学に励んで周囲にも一目置かれる成果を上げた。
そのような観点から、この本ではどうしたら山地が二度目の事件を起こさずに済んだか、あるいは彼に似たような背景をもつ人々が犯罪を犯さずに済むにはどうしたらいいか、を考察している。
過去に起こした事件に対する反省がなくても出所後二度と犯罪を犯さなければ、それで十分更正出来たといえるのではないか、という「反省なき更正」という考え方は興味深かった。

ゲイリー・ハイドニック

1986〜1987年にかけ、アメリカ・フィラデルフィアで女性6人を誘拐した後監禁、暴行を加え、うち2人を殺害した。
被害者は全員黒人の女性。
監禁した理由は「子供を産ませるため」。
女性達は拷問を加えられ、何度もレイプされた。
被害者の1人が逃げ出し、事件が発覚。
1999年に処刑された。

<概要>
ハイドニックは精神疾患を抱えており、事件以前には幾度もの入退院や自殺未遂を繰り返している。
しかし、彼の知能は高く、株式投資によりかなり資産を築いていた。
1970年代、「教会を開き、子供を作れ」という「神の啓示」を受けた彼は、宗教法人を立ち上げる。
ハイドニックはスラム街で熱心な布教活動を行っていたという。

やがて信者の女性数人(全員知恵遅れだという)との間に子供が生まれたが、ハイドニックはこの女性達も監禁したり虐待を加えたりしていた。
この子供達は全員養子や施設に送られ、結局彼の手元には残らなかった。
その後、ハイドニックはフィリピン人の女性と結婚するが、すぐに離婚。
この女性は後にハイドニックの子供を出産したが、彼には手紙を送っただけだった。

1986年、ハイドニックは最初の事件を起こす。被害者は26歳の売春婦だった。
その後、第二の被害者となったのは以前にハイドニックの子を中絶した女性だった。
年末には1人、翌1987年初頭に更に2人の女性が相次いで誘拐され、被害者の列に加わった。
女性達はハイドニックの家の地下室に監禁され、日々暴行を加えられた。

そのうち、特に反抗的だった女性(2番目の被害者)がパンを喉に詰まらせて死亡した。
ハイドニックは彼女を解体し、その肉を女性達に与えるドッグフードに混ぜた。
その後、やはり反抗的だった女性(4番目の被害者)が拷問中に死亡する。

このとき、ハイドニックは女性達の一人(第一の被害者)をとりわけ信用し、特別扱いしていた。
彼女は死体の遺棄にも協力し、他の女性達の管理にも積極的に協力、新たな被害者の誘拐にも手を貸していた。
しかし、それは彼女の演技であった。
彼女はハイドニックに「一目子供に会いたい」と言い、逃げ出すことに成功する。
そして警察に駆け込んだ彼女の告発により、残りの3人も救出され、ハイドニックは逮捕された。

<リンク>
ゲイリー・ヘイドニク(monsters)

<フィクション>
2013年6月に日本公開になる『コレクター』は、この事件を元にしているらしい。
映画公式サイトには「リアル・サイコ・サスペンス」とさも実際に起こった事件を描いたように書いてあるが、あらすじを見る限り、元ネタにしたという程度。
英語版のwikiにはこの映画の項目があるが、ゲイリー・ハイドニックには触れられてない。
ここを見る限り、どっちかというと2009年にアメリカで発覚した少女誘拐・長期監禁事件の方が元ネタっぽい。
なお、この映画は2012年アメリカ公開。DVDも出ている模様。
この間のオハイオ州の事件を受けて、急遽日本でも劇場公開を決めたのではなかろうか?
安易な邦題もそんな妄想をかき立てる。
この手の女性拉致監禁ものの邦題を『コレクター』ってタイトルにするのはいい加減止めて欲しい。
(10年くらい前にも『コレクター』という邦題の女性監禁ものの映画があった。)
この映画も原題の『The factory』でいいじゃんか。
リメイクでもないのに(最初タイトル見た時、一瞬リメイクなのかと思った)、往年の名作映画『コレクター』との混同はいい加減止めてほしい。

狭山事件

1963年5月1日に埼玉県狭山市で発生した強姦殺人事件。
被害者は当時16歳の少女。
犯人として石川一雄が逮捕され、無期懲役の判決が下っているが、1994年に保釈されている。
逮捕当時から冤罪の可能性が指摘されており、現在でも再審請求が続けられている。

<概要>
1963年5月1日、被害者は下校途中に行方不明となる。その後、被害者宅に脅迫状が届く。
家族は警察に届けるが、翌日の身代金受け渡し時、警察は犯人を取り逃がすという大失態を犯す。
5月4日、被害者の遺体が発見される。
5月23日、石川が別件にて逮捕される。その後、厳しい取り調べにより石川は犯行を自供する。
しかし、自白以外の物証に乏しい上、石川は裁判で自白は強要によるものとして無罪を主張。
逮捕されたのは石川の出自(被差別部落出身だった)による差別であるとの見方も重なり、狭山事件は社会問題へと変化していった。

多くの作家やジャーナリストが本事件を追っているが、真犯人が誰かは諸説あるも不明。
事件後、被害者の兄や姉、目撃者などが数人自殺・不審死しているなど、謎の多い事件でもある。

<リンク>
狭山事件(無限回廊)
事件の大まかな流れをつかむならここ。
狭山事件を検証する
実際に現地調査に赴き、膨大な証言や証拠について詳細に検証しているサイト。
もちろん真犯人についても様々な考察を行っており、非常に読み応えがある。
著者は個人的興味からこの事件を検証し始めたということだが、現在は再審請求活動にも携わっている模様。

<おまけ>
最近ではこの事件が『となりのトトロ』の元ネタといわれているらしい。
トトロは死神、さつきとメイは既に死んでいて、作中に登場するのは幽霊。映画の物語は娘達を亡くした父親の妄想……という救いはないんですかー!という内容。
この都市伝説について書いてあるサイトは結構あって、その中には読んで信じてしまう子もいるだろうなという迫力のあるサイトもある。
でも、そういうサイトの当事件に対する記述は結構いい加減。
例えば遺体はバラバラにされて遺棄されたとあるが、そのような事実はない。
(他にもあるが、ググればこの事件に詳しい人達の反論が色々出てくるので、詳しくはそちらをどうぞ。)
被害者の姉は身代金の受け渡しにも関わっており、後に理由のよく分からない自殺(真犯人を知ってしまったからだという説もある)で亡くなられているのは事実だ。
でも、この被害者姉妹の関係をさつきとメイに当てはめるのはかなり無理があると思う。

トトロ=ツァトゥグァ説の方がよほど信憑性がある。ポニョがアレだったし。